何で読んだのか忘れましたが、何かの本に「椅子は裏側に作り手の気持ちがあらわれる。」ということが書いてあった記憶があります。ふと思い出したので事務所の椅子の裏側を見てみました。
まず、
木曾三岳奥村設計所さんの「はんぺんチェア」。もちろん、裏側も表と同じようにきれいに仕上がっていて、金物も一切見当たりません。
同じ木曾三岳奥村設計所さんの「チギリチェア」は、座面を押さえるために金物を使っていますが、金物で構造的な力を持たせている訳ではありません。
座面の革を押さえているところは、ゴムでカバーするデザインになっています。
やはり同じ奥村設計所さんの「Vパッチチェア」は、裏まで表と同じ革が張ってあります。
この椅子も座面を固定するのに金物が使われていますが、構造はあくまで木で持たせるデザインです。革の縫い目も、もちろん糸で縫ってあります。
(追記:その後、Vパッチチェアもチギリチェアのような革の押さえ方に変更になったようです。使い比べてみると、新しい方法の方が使い込んだ時、明らかに座面の革がたわみにくいです。日々改良を重ねて進化しているんですね。その辺も見習いたいところです・・・。)
アルテックのNo.66は・・・、これは完全にビスで構造を成り立たせるデザイン。
座面も糸で縫ってある訳じゃなくて、大きなホチキスのようなもので留めてあります・・・。この辺が量産品の違いですね。
有名なYチェアは、
量産品といえども、さすがにきれいに納まっています。一部にホチキスのようなものも見えますが、
これくらいはしょうがないところなんでしょう。
なるほど、裏側に作り手のこだわりや気持ちが現れるのかも知れませんね。(ono)